免疫とは
免疫とは、私たちの身体に備わっているもの、ホメオスタシス(恒常性維持機能)です。
自分自身を守るために自分ではないものが入って来た時にそれを取り除く仕組み。
さまざまな微生物が私たちの身体に入ってきた時に、数時間のうちに排除される仕組みが私たちの身体には備わっています。
この時、非自己と識別されたものを「抗原」といい、自己か非自己を見分ける役目はリンパ球がしています。
この仕組みは「抗体」と呼ばれるたんぱく質が作られることによってなされています。
この免疫機構に関わる細胞を免疫細胞と呼び、白血球が担当しています。
免疫細胞は、病原菌などから身体を守るだけではありません。
傷ついたり疲れた細胞を修復し、病気やけがを治し、疲労を回復させます。
新陳代謝を活発にし、身体の機能低下や老化も防いでくれます。
また、免疫がバランスよく働いていればストレスにも強くなり、花粉症やアトピー等のアレルギーも起きにくくなります。
このように免疫が無ければ私たちは元気に生きていくことができないのです。
その免疫の主役である白血球は様々な細胞で構成されています。
免疫の主役は白血球そして腸
免疫システムの主役は白血球という細胞です。
白血球は体内に2兆個あり、大きく分けて3つの免疫細胞で構成されています。
①顆粒球(60%)
②リンパ球(35%)
③単球(5%)
単球は免疫細胞の中の指令等で、マクロファージとも呼ばれ、身体に侵入した異物をいち早くキャッチし、丸のみするとともに、顆粒球やリンパ球に異物の存在を知らせます。
その知らせを受けると、顆粒球は異物を飲み込んで処理します。
この時、化膿性の炎症を起こし、飲み込んだ後は異物と共に死滅します。
傷口の膿や黄緑色の鼻水は顆粒球が異物を取り込んだ証拠なのです。
ただし、単球や顆粒球は細菌などのサイズが大きな異物は得意ですが、ウィルスや花粉などの小さな異物は不得意で取り逃がしてしまいます。
そこで登場するのがリンパ球です。
リンパ球はウィルスやがん細胞と関わることができる免疫細胞です。
そのリンパ球の60~70%が回腸パイエル板に生息していることから、「腸管免疫学説」が主流となり腸が免疫系の器官として重要であると考えられるようになりました。
腸のリンパケア
腸が免疫の主役であることが分かりましたが、私たちが行う腸のリンパケアはどのような効果を発揮するのでしょうか。
小腸へのアプローチで小腸が活性され、消化と吸収が促進されます。
回腸が刺激されリンパ球が活性することで免疫力がアップします。
腸の近辺に100個あるといわれるリンパ節を刺激することに繋がります。
そして、幸せホルモン「セロトニン」の分泌が促進されてストレスから解放されるでしょう。
このセロトニンですが、腸に炎症があるとセロトニンの原料であるトリプトファンが減り、セロトニンがつくられにくくなり、結果的にうつ状態になることもあります。
大腸へのアプローチは便秘の解消に役立ちます。
腸は自らの力では動けないので、腸が自由になるように周りの筋肉の緊張をとり、さらに自律神経に働きかけるような技術が必要です。
腸の働きを支配する自律神経は背中の脊柱脇から出ていますが、多くの人はストレスにより、交感神経優位状態で脊柱起立筋が硬直しています。
まず、この背中の緊張を緩め、自律神経のバランスを整えてから腸のリンパケアを行うのがより効果的です。
そして、腸の細胞に酸素と栄養素をしっかり届けるよう血行促進を心がけ、表面的な刺激ではなく腸の奥深くまで届くようなゆったりとした施術が大切です。
自分でできること
免疫の一部分を説明しましたが、数え切れないほどいろいろの働きが絡み合って生きているということが分かります。
免疫を保つために私たちがすぐにできること、気を付けることは、
食事のバランス~たんぱく質、ビタミン、ミネラル
生活のバランス~睡眠時間、体温、有酸素運動
心のバランス~ストレス
これらのことを日頃から意識することが元気でイキイキと過ごせる秘訣ではないでしょうか。
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